『海原』No.36(2022/3/1発行)誌面より
第3回海原金子兜太賞受賞第一作〔3回連作・その2〕
沸騰 大沢輝一
冬の鳥作業衣のごと雨の中
冬鳥に生まれてそして潟は潟
冬の鳶なんども空にぶつかって
鴉からす雪風咥え啼けぬなり
雪の日の鷺閉じきって石器です
蘇るためまた潜るかいつぶり
水鳥の快感水を嚙み砕く
もうもうと白鳥生理急ぐなり
眠る白鳥柔らかな卵です
白鳥群啼くというより沸騰す
『海原』No.36(2022/3/1発行)誌面より
第3回海原金子兜太賞受賞第一作〔3回連作・その2〕
沸騰 大沢輝一
冬の鳥作業衣のごと雨の中
冬鳥に生まれてそして潟は潟
冬の鳶なんども空にぶつかって
鴉からす雪風咥え啼けぬなり
雪の日の鷺閉じきって石器です
蘇るためまた潜るかいつぶり
水鳥の快感水を嚙み砕く
もうもうと白鳥生理急ぐなり
眠る白鳥柔らかな卵です
白鳥群啼くというより沸騰す